構造を美しさに変える。柱を起点に紡ぐ、クラシック手摺のアンサンブル
分けることで、響き合う。構造柱を意匠の軸に据えた、二部構成の階段手摺。
室内階段手摺 NALT023
住まいの構造と、ロートアイアンが美しく共鳴する風景。
今回は、90度のターンを支える「木の柱」を活かした、クラシックデザインの階段手摺をご紹介します。
■ 構造を活かし、空間をデザインする
階段の中腹、折れ曲がるササラを支えるために建つ一本の木の柱。
この建築上の重要拠点を起点に、手摺をあえて「二分割」で構成しました。
1階から中腹までの3段を彩るステップ手摺。そして柱から2階壁面へと繋がる、吹き抜けの落下防止手摺。
分かれているからこそ生まれる適度な「抜け感」が、空間に奥行きを与えてくれます。
■ 途切れることのない「クラシックの旋律」
物理的には2つに分かれていても、デザインの魂は一つです。
緻密に計算されたスクロール(唐草模様)の配置により、視線は柱を越えて滑らかに繋がり、一つの大きな作品のような連続性を感じさせます。
木の温もりある質感と、アイアンの黒いラインのコントラストが、空間全体にヨーロッパの邸宅のような品格をもたらします。
■ オーダーメイドが叶える「最適解」
既製品では対応が難しい、変則的な勾配や構造柱との取り合い。
私たちは現場の状況を詳細に読み解き、柱との干渉を避けつつ、美しく見えるバランスを。
制約をデザインの種に変え、その場所にとっての「最適解」を導き出す。
それこそが、一点物を設える醍醐味です。
毎日上り下りするたびに、構造の力強さと手仕事の繊細さを感じる。
建築と手摺が手を取り合った、階段の完成です。
室内階段手摺 NALT023