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ロートアイアン(Wrought Iron)とは、日本語で「鍛鉄(たんてつ)」を意味します。 日本最古の木造建築である法隆寺でも「鉄釘」として使われていた「鉄」は 日本人の生活や文化と深いつながりを持ちかつては、大工道具をはじめ農具 漁具などをつくる、暮らしに根ざした「鍛冶屋」が、たくさん存在していました。 現在も弊社の工場では、赤められた鉄を叩く鎚音(つちおと)が鳴り響きます が、 古来の現場でも鳴っていることを想像するとこの伝統技術を培われた先 代の方々に敬意と尊敬の念を抱きます。 弊社では1986年に渡独した際、ロートアイアンに魅せられ、ドイツの職人との 出会いから、その伝統の重みと匠の技術を身につけるため、日本に招きそこ から日本の職人たちとの交流がはじまりました。 ロートアイアン製作は手作業が主であり、 職人は、パーツをひとつひとつを 造る、 研ぎ澄まされた「手の感覚」を養う必要があります。 なかには、機械を使う工程もありますが機械は全て手作業の延長上にあり、 また作業を容易にすることは、コストダウンによる合理的理由です。 芸術的な造形力は、適切な機械を作業工程にいれても絶対に補えるもので はありません。機械がなくとも素晴らしい作業が行えるのは、過去の美術品 をみれば分かります。 |
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ロートアイアンにおいて炉は必要不可欠な加工設備です。冷間では鉄は硬く 変形させる為には火力を用い軟化しなければなりません。 炉ではゴウゴウと燃え盛るコークスがうなりをあげて鉄を少しずつ熱していき ます。これを「火床(ほど)」といい、ゆっくりと赤みを帯び始める鉄は火床で 生を受け職人のふるう鎚(つち)さばきで、みるみるその姿を変え、美術鍛造 品として生まれ変わります。 ドイツ人ゲーテの言葉で「良い仕事をしたい人は良い道具を持つ」というのが あります。同じ作業を繰り返すときは、形がそろうように冶具をつくり、また何 年と使い続ける工具は職人の手造りばかりです。
鎚は炉と切り離すことのできない工具です。炉から取り出した赤みを帯びた鉄はまたたくまに冷え始めます。 鉄の叩くべき箇所を見定め、力の加減を しながら加工するのは熟練の技が必要です。 経験を積んだ職人であればあるほど、より少ない時間で加工ができるように なります。今日も現場から鉄に魅了された職人の火のような情熱と鎚の音が 伝わってきます。 |
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ロートアイアンの魅力のひとつとして、優雅に彎曲(わんきょく)する曲げ加工 があります。パーツのひとつひとつが繊細に、時には大胆に曲がりくねる様は 豊麗な曲線美といえます。 細く薄い部材の場合、冷間でも曲げることができますが分厚く太い部材の場 合、炉で熱して少しずつ曲げていきます。 C曲げやS曲げをする前には先端に「タタキ」「ツブシ」という作業を施します。 この作業により先端が広がり美しいラインを描くようになります。 手曲げは時間がかかりますが、そのライン次第で仕上がりが変わってきます ので重要なポイントです。 特に重要なパーツはCADデータから作成した原寸のラインに合わせて加工 していきますが、最後は職人の経験で微調整していきます。 無垢鉄は硬くしなやかな性質です。他の金属と比べて「人に優しい」のが特徴 だと職人は言います。 |
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ロートアイアンは、表面加工を加えることで表情が豊かになります。右にある ものが加工例ですが、造り方次第で加工の可能性は広がります。 刻印したり、溝を彫ったり、切り込みをいれたり平らな表面に装飾作業を行う ことができます。ロートアイアンのなかで最も多く使われる「バンド」にはほと んどの場合、 表面加工が入ります。バンドは文字通り部材に巻きつけて装 飾することから呼ばれています。 手曲げにも記述している叩きは表面加工の1種です。熱した鉄を型にあてて ハンマーでたたき、つぶします。 鉄を加工するうえで最も時間がかかるのが 表面加工です。 表面加工をいれると無垢鉄は形がゆがみます。凸凹になった部材を直すこ とを「ナオシ」といいます。表面加工の仕上がり具合や出来栄えに関わってく るのでこの作業の間、職人は集中のあまり目つきがかわっています。 表面加工は模様によって最低限必要な寸法があり、逆に太過ぎると使えな い模様もあるので部材によってできるできないがあります。 |
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ひねりは英語でツイストになります。通常の曲げが横軸に曲げるのに対し、 ひねりは縦軸に曲げます。螺旋状にできあがるので見た目が美しく上品に仕 上がります。 バスケットツイストはひねりを応用したもので造り方も様々です。ひねりは、 表面加工を施した部材に併用するとさらに表情も変わります。 また部材も角鋼(断面が正四角形)とフラットバー(断面が長方形)に使用す るのとでは表情が異なります。また縄のように丸鋼を何本かつなぎ合わせて ひねると編んだようになります。 バスケットツイストを含めひねりはデザイン形成においてポイントになり、惚 れ惚れするほどの美しさを感じます。 |
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ロートアイアンの製作のほとんどはパーツ造りです。但し、交換や取り外しが できるようにボルト留めにしたり、組立て式にしたり、機能性を考えて設計す ることが可能です。 溶接のなかで「加熱溶接」が鉄をつなぐ方法として一番貴重で古い方法です。 熱した鉄同士を叩きながら組み合わせて溶接する方法ですが、現在では経 済的理由からガス溶接と電気溶接が加熱溶接を追い越しています。 近代の溶接にも様々な方法がありますが「モリ」ができてしまいます。モリは 溶接方法により大小がありますが装飾的に溶接する場合はベルトなどで覆 ってしまうか研磨して溶接箇所がわからないようにします。 ロートアイアンは無垢鉄を使うので重く、組立てる時はネジ式がほとんどで す。施工も同じで自立させるときは地中に埋め込むか、アンカーボルトで留 め、壁面につけるときはタッピングビスや壁に埋め込むことになります。 |
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メッキ、塗装工程を経た作品は真新しく味がありません。そこで「古美仕上げ」 を施し、質感を高め、落ち着きのある独特の味わいをかもし出します。 その技術的な要素から「アンティーク化粧仕上げ」とも呼んでいます。 古美仕上げには4種類の色から構成しています。 シルバー:アイアンらしい表情になる最も多い仕上げ色 グリーン:緑青色に近く、周囲の植栽によくなじみ飽きのこない色 ブロンズ:銅色に近く少し赤みがかった色あいで、素朴な表情になる人気色 ゴールド:グリーンと一緒に、部分部分を効果的にコントラストをつける色 作品のコーナー部分に強めにいれてフォルムを強調したり、ぼかしたり。 古美仕上げが作品の良し悪しを決めるといっても過言ではありません。 ナルディックでは風格のある作品にするため、熟練した職人が細部までこだ わって最終の表面仕上げをしています。 |